La pintura del calle (Tulum) |
それから数日間は、はっきり言って惨憺たるものだった。
猫達は、何度言って聞かせても、好物の匂いがする檻に入ってしまう。
最初は、あまりにも言う事を聞かないので、お仕置きも兼ねて、彼らが罠にかかっても、放って置こうとも考えた。しかし、そう簡単にはいかないのがこの世の常である。
なぜなら、もし、グレイキャットが入ってきた時に、うちの猫の誰かが罠にかかって泣いていたとしよう。
そうしたら、狡賢い彼には、すぐにその檻が罠だとバレてしまい、二度とその罠に掛かる事はないだろう。
そんなことにもでなれば、計画はすべて水の泡に終わってしまう!
だから面倒でも、一回一回檻から出して、新しく餌を仕掛け(そしてその時には、家猫にも新たに分け前を与えないといけない)、罠の留め金を掛け直し、今度こそはと神頼みしないといけない。
しかし、うちの猫達の強欲さと言えばただ者ではなかった。
何度叱れども、水スプレーでお仕置きしても、彼らは仕掛けたツナを放置出来るほど、行儀良くはできていなかったのだ。
そして、誰かが引っ掛かるたびに、新参者のメギは大喜びでその罠の上に登り、隙間から、中にいる猫にちょっかいを掛けるので、彼らは益々その騒ぎ声を大きくするという悪循環。
ミャオ子もハヤブサくんも、普段はメギのことなど、眼中にも入れていないので、こういう時に、彼の格好のオモチャとなってしまうのだ。
こうして、一時間に一度はガシャーンと、例の大きな音がして、次には、”ミャぅオ〜”と解放を要求する声が、そして終いには、それに喜び興奮して、檻の上をメギが飛び回るカタカタカタ・・という音がする。
こうなると、もういい加減疲れ果てて、こちらもげんなりとしてくるわ、グレイキャットどころか、うちの猫の首さえ閉めたい今日この頃。
だいたい、猫なんて飼い始めた自分が馬鹿だった。
あ〜、もう、みんなまとめて居なくなってくれ〜!!!
こうして時が経過することしばし。
最初は、マメに入れ替えていたツナは風化して乾涸び、罠を隠すため、底に敷いていたビニールは、ツナ欲しさに、逆方向から引っ張られたお陰で、先端が、ビリビリに引き裂かれて散らばって居る。
もちろんこの時点で、罠の留め金は外れて蓋は下がっており、おまけにクリスマス用に買って、机の上に置いていたラッピングペーパーさえも、床の上に転がり、皺くちゃになっているという始末。
その一方、グレイキャットは相変わらず家への侵入を繰り返し、朝起きれば、蓋をしたはずの餌入れはこじ開けられ、大切な米びつにはマーキングの跡があるではないか。
その光景を見た瞬間、何かが私の頭の中で、プチッと音を立てて切れた。
ぬぉぉぉおお〜!お主ら、皆、まとめて、出て行ってしまえぇぇ!!!
(続く)
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