世の中を巧く生きる方法

                                                        La puerta bonita

久しぶりにセラピストのRayを訪れてきた。

彼は、私がこちらにきてから、色々な障害に苦しんでいた時、私を暗闇から救ってくれた恩人であり、人生の良きアドバイザーであり、私が絶大な信頼を寄せる人。

メキシコに来てからというもの、随分と紆余曲折があったけど、今は結構落ち着いてるので、これという相談事があった訳ではないのだが、ちょっとした所用があってメールのやりとりをしているうちに、ふと、”久しぶりに話に行ってみようかな。”という気持ちになったのだ。



久しぶりに会った彼はとても元気そうで、聞けばパナマの方に写真を撮りにいっていたらしい。

写真家であり、画家であり、カウンセラーの顔を持つ彼。
そしてチリという、日本ではあまり馴染みのない国ではあるけれど、この国は、中南米の中でも、人や教育の質が非常に高いことで有名で、そんな国の出身かつ博学で勉強家の彼とは、とかく話が合う。

人生について、恋愛について、哲学の話、宗教の話、文化的な話等、ここまで深い話が出来る人は、ここ、メキシコでは貴重な存在だ。



さて、そんな彼に久しぶりに近況報告などしつつ、まぁ、今は幸せといえば幸せだけど、でも腹の立つことも日々多いよねぇ、と話していると、彼が一言。

”Kyoko、最近瞑想してる？”


思わずぐっと詰まってしまった私。

そう、一時はあんなにハマってやっていた瞑想もヨガも、ここ最近、ずーっとサボりっぱなしの状態なのだ。




”結局さ、自分の身は自分でしか守れないんだよね。”と彼。


曰く、人に対して腹を立てている状態というのは、他者に集中が行ってしまっている状態なので、宜しくないのだそうである。

彼の言葉を借りれば、人のやっていること、言っていることにいつも気を取られ、あるいはそれに対して不快に思ったり、動揺したりするのは、それだけ自分を傷つける機会を自分で増やしているだけ。

だから、人の言うこと、行うことは、”その人の持ち物”として、傍観し、煩わされない。
そして、そうなるためにも、自分は常に、自分自身に帰属していること。

その為に、瞑想や呼吸法が大きく役立つという論理。

こういうことを、淡々と言う彼の言葉は、いつも素直に私の心に入ってくる。

考えてみれば、毎日の生活の中で、私達はどれだけ人に惑わされ、苦しめられ、悩まされていることか。



彼のいい分に寄れば、まずは自分ありきで、とことん我が侭になることが必要だそうだ。
つまり、人のことは人のこと、と割り切る姿勢。

人の目など気にしてるから、自分が結局苦しむ羽目になる訳で、だいたい、人の評価など、どうでも良い事なのだ。（というのは私の持論。）

それから彼は、”Expectation is the Frustration”（期待は失望のはじまり）とも言っていた。

まさにその通り！

日々の生活の中で、私達はどれだけ人に裏切られ、舌打ちし、気分を害されていることか。

そして彼の言う通り、もし、誰にも気分を害されず、集中は自分だけにあり、人のことは人のこと、と割り切ることが出来、心穏やかに過ごせる自分を手に入れることが出来たなら、人生は、素晴らしいものになること請け合いだ。



と考えているうちに、ふっと名案が浮かんできた。

人に期待をしなくて済む方法・・・。




そうだ、”世の中で一番偉いのは自分”という考えは？！（すみません、あまりにも短絡的で・・）



要は、自分の尺度で物事を計ってしまうから、人のことが、トロかったり、気が利かなかったり、狡かったり、無神経だったり、言っている事の辻褄が合わなかったり、横柄だったり、臆病だったり、頭が悪かったり思えてしまう訳で、それが、もし自分は偉いけど、彼らは私とは違うから、と思うようにしたら、ちょっとした慈愛の心なんかも手伝って、許してあげられるようになるのでは！？（あ、でもこれは自分の中だけに止めといた方がいいと思います。念のため。）

ちなみに、彼曰く、だからといって気になることを黙殺するのではなく、言いたいことは言ってしまってもいいのだそうだ。

ただその時に、「淡々と、そして力強く。」言うことが成功の秘訣だそう。

確かに考えてみれば、彼のそれは、穏やかさの中にも力強さがあって、私もついつい引き込まれている。



まぁ、人の性格なんて千差万別だから、人一倍忍耐力がなくて短気な私に、どこまでそれが叶えられるのかわからないけれど、もし、心穏やかで幸せな自分に一歩近づけるのであれば、また頑張って瞑想してみようかな、と思い、気が変わる前に、ここに書き記しておくことに致します。



もし良かったら、皆さんもお試しあれ！

あ、それから朝日に向かって手を合わせる（感謝する）ことも、大切なようです。
昔の人は、お天道様なんて言って、自然にこんなこともやってたのですから、偉いですよね〜。



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