2011年1月31日月曜日

世界で一番居心地のいい◯◯◯

私の住むカンクンって、海以外に、これといって見るところもなければ、へぇ〜と驚くようなところもないのだけれど、一つだけ自分の中でお気に入りの場所がある。

今日はその場所をご紹介します。

まずは入り口を入って2階に上がります。


2階部分。ちょっと店内が暗くてわかりずらいけど、向こうに海が見えます。


 

店内はクーラーがきついので、外に出ることにします。



 




バルコニーはこんな感じでいつもがらがら。




バルコニーにの向こう側はラグーナ(湖)です。

ここに座って、ぼーっとラグーナの風景を見るのが私は好きで、よく小鳥も遊びにきます。


ラグーナの景色を堪能したら、また同じ階段を下りて外に出ます。



こちらがメインストリート側。黄色い壁が矢印ね!



という訳で、私がお休みした場所は・・





皆様の、◯クドナルドでした。

 ちなみに、ラグーナと反対側には、この風景が。



以上、世界の◯◯◯シリーズ(?)でした。

いつか遊びにいらしてね!


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2011年1月28日金曜日

ものごとをよく見るということ

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相棒のところに訪れていた、ヒッピーのカップルと話しをする機会があった。

いわく、元々はメキシコシティに住んでいたけれど、現在はトレーラーでメキシコ国内を回りながら、行った先々で、壁画や石釜オーブン、コンポストトイレなどを作って販売し、収入としながら旅しているんだそうである。


驚くなかれ、メキシコにはこういうヒッピーが結構居る。

この間の日本語の授業で生徒にも言ったけど、日本人の、メキシコ人に対するイメージは、まだまだ、”サボテン、テキーラ、タコス”くらいで、だから、外国人が日本人に対するイメージを、”フジヤマ、ゲイシャ、サムライ”と言ったとしても、決して文句は言えないと、個人的には思う。


さて、そのヒッピーの彼女が、コンポストトイレの写真を見せてくれるといって、古いアンティーク調のカバンから、あるファイルを取り出した時、私は思わず、”あ!”と声を上げてしまった。

なぜなら、メキシカンヒッピーとは、何のつながりもなさそうなものが出てきたから。
それから、私も同じ柄のものをもっていたからというのがあと一つ。

という訳で、彼女を待たせて、急いで奥から出してきたのが、彼女と同じこの柄のノート。





いわずもがな、葛飾北斎の富嶽三十六景のひとつである。

ネットで見て初めて知ったのだが、「神奈川沖浪裏」っていうんだって。


おぉっと目を見張る彼女。
そして、よっぽど気に入ってるのか、ノートを手にして、しばらくその絵に浸っているのでこういった。

”ここに住んでいると、チーナチーナって言われることが多いし、あと、中国人と日本人の違いがよくわからない人がたくさんいるから、それを証明するために、去年日本に帰った時に買ってきたんだ。”と、私。


と、おもむろに顔を上げ、”え?中国人と日本人って全く違うじゃない!”と一緒に反論してくれる彼女。

この無法地帯にあって、トレーラーでわざわざヒッピー生活をしているだけあって、(見かけとは逆に、お金や教養がある人が、わざわざこういう暮らしをしていることが多いのもこの国ならではか?)この人、なかなかの博学らしい。



”私ね・・”と今度は彼女。

”これを書いた人ってすごいと思うのよ。見てよ、この波しぶき!”

”ふんふん。”

”あのね、今この風景を、高速シャッターで撮るでしょう?そしたら、本当に波しぶきが、こういう風に飛んだりしているのが見えると思うわけ。”

”うん。”

”でもさ、この絵、いつ書かれたと思う?大昔に書かれたんだよね?それこそカメラなんてまだなかった時代にさ。”

”うん。”

”だからよ・・だから、これを書いた人、すごいって私は思うわけ。ねぇ、どうやって、そんな昔に、こういう波しぶきの一つ一つが見えたと思う?!”

”うっ、そ、それは・・”

”ね、そう思うと、すごいでしょう!?”

”確かに。すごいねっ!!”


という訳で、外国人の彼女に、私はすっかり母国の有名画家の凄さについて教えられてしまった。




しかし、北斎もすごいけど、何と言っても私が驚いたのは、彼女(名前をディアナという)がその詳細に渡る事実に着眼したということである。

さすが自分も壁画を描くだけあって、気付くポイントが違うなぁ〜。

去年だったか、写真を専門に勉強した人と話す機会があって、わからないことがたくさんだから、是非教えて欲しい。と頼んだのだけれど、今はやっていないから、という理由で丁重にお断りされてしまった。

がっかりし、”うまく撮りたいけれど、全然うまくならないから、ストレスなんだよね。”とぼやく私に、彼女が優しく言った言葉に、私はその時、軽い衝撃を覚えたのを今でも覚えている。

彼女はこういった。

”でもね、撮り続けていれば、自然と巧くなるし、しかも写真を撮るって、ものごとをよく見よう、ということだから、とってもいいことなんだよ。”と。


私もディアナ同様、もう少し肩の力を抜いて、ものごとを見据える力を養うことができたなら、その時は、もう少し世の中が違って見えるのかもしれない。


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今朝の一曲 Vol.11

                                                  La Puerta (Tan pico)


今朝の一曲はこれ。

http://www.youtube.com/watch?v=ZviVkAt7uv0


その昔にOLをやっていた時、同じ職場に、決して派手なタイプではないけれど、不思議な雰囲気を醸し出した、ちょっと気になる女性がいました。

なんてのかな、どうしても放っておけない、話しかけずにはいられない、そんな何かを持ったタイプの子。

上智卒だと言うその彼女は、とっても綺麗な英語を話し、感情の抑揚をあまり顔に出さないクールビューティだったけど、一旦話し初めてみると、ポーカーフェイスさながらに、ジョークやボケネタなどを連発するような子で、私は一気に彼女のことが好きになりました。

そして、しばらく経ったある日、実は彼女の旦那さんが、有名なレコード会社に勤める音楽プロデューサーであると聞いたときも、別段驚きはしなかったし、その旦那さんがこのPVを作った時の話しをしてくれた時も、特別な感慨は受けませんでした。

その後、職場は最初ののんびりとしたムードから、時代と共に、だんだんと切迫した雰囲気へと成り代わり、結局、ある春の日を境に、私はその職場を辞めて、シンガポールへと渡り、彼女もまた、旦那さんの転勤で福岡、大阪、東京と住処を変えて、女の子を出産したというところまでは聞きましたが、それから先のことは、残念ながらわからず終いです。

いずれにしても、10年経った今、偶然にこの曲を聞き、当時は聞き流していた、彼女の旦那さんによるエピソード--まだ駆け出しで、予算もなかったことから、当時勤務していた福岡の、これまた小さな公園で、苦心して作った--を、思い出し、今はすっかり有名になったこのアーティストと共に、彼女、あれからどうしたかな、とふと思い返した今朝のひとときでした。


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2011年1月26日水曜日

運転

                                    La catedral (Mexico City)



路上5日目にして、すっかり運転にはまっている。

21の時、カナダで免許を取り損なって以来、自分はもう車を運転することはないんじゃないかと思っていたけれど、何の運命か、今にして免許を取ることになり、最初はこわごわと乗っていたが、そのうちに慣れていった。

私の中では、バイクもスノボーもサーフィンも同じような感じ。

他の車のペースを乱さないように、流れに沿って、道路の上を、文字通りスイスイと乗って行く。

集中力はしっかりと、けれど上半身はあくまでもリラックスして。

町中の、混んだところを走るのは窮屈で、危なっかしいけど(これもサーフィンと同じだな。)いったんハイウェイに出ると、ぐんと解放される。

遅すぎず、早すぎず、一定のスピードを保ちながら、音楽など掛けながら流れに身を任せるのはなかなか心地よい。

車も手に入って、どこへでも行けるようになり、なんだか町中に住む理由もなくなってきた今、このまま郊外の、もっと広いどこかに引っ越そうかしら?


ちなみに、今運転したい場所ベスト5

1.三浦海岸:鎌倉から葉山を抜けて横須賀に向かう道。この道がなぜかとても好きで、昔良く原チャリで走ってました。(あ、元ヤンじゃないよ!)
特に横須賀に近づくにつれて見えてくる海、畑と夕日のコントラストが最高!
なんだか里心がついてきちゃった。

2.北カリフォルニア:行ったことはないんだけれど、聞いた話しによると、とってもきれいなとこらしい。美しい自然の風景、私も見たいな〜!

3.オアフ島:何を隠そう、私が免許が欲しい!と強く思ったきっかけがこのオアフ島。自分で運転して、ノースショアが見たいって、かなりミーハーですね。すみません。

4.グレートオーシャンロード:オーストラリアはメルボルンの南、その昔キアヌリーブス扮するサーフィン映画で有名になったビーチのあるところ。
オーストラリアってやっぱり自然が雄大なんですよね〜。ブリスベンから入って、サーファーズパラダイス、バイロンベイ、シドニーはブルーマウンテンと経由しながら、グレーとオーシャンロードまで横断するのが、私の夢の一つ。

5.バリ島:この島、本当に見所たくさん。そしてどこを切り取っても本当に綺麗!滞在中は、原チャリで、サヌール、バランガン、ドリームランド、ウルワツ、ウブドとかなり回ったんだけどね〜。でもさすがに大きな島なので一周は果たせず終い。なので次回は是非是非。

特にウブド以北の朝日にたなびく棚田の風景は、息をのむ美しさです。





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2011年1月24日月曜日

神の子供

                                               Un Hombre (Tan pico)




正月にアメリカに滞在した時のこと、相棒の実家は、アメリカとメキシコの国境沿いの町にあって、年明け早々用事があって、橋向こうのメキシコの町に出掛けることになった。 

車で国境沿いまで赴き、そこから徒歩で橋を渡る。 
小さな橋を渡れば、向こう側はもうメキシコだ。 

以前、シンガポールに住んでいた時も同じような体験をしたが、地続きの国境を越えた途端、町の風貌がガラリと変わるのは、島国育ちの私には、ちょっとした驚きである。 

アメリカとメキシコ、ここにも大きな落差がある。 

どちらがどうというのではない。 

ただ、メキシコにずっといてアメリカに行くと、突然綺麗に舗装された道路や理路整然とした美しい町並みに衝撃を覚えるし、アメリカにしばらくいて、メキシコに戻ると、人、車、ゴミ、熱気の混じった、突然何の秩序もないカオス--けれど活気溢れるその場所--に舞い降りた錯覚に陥った気がして、体の中のエネルギーさえ変わった気がしてくるのである。 

さてそういう訳で、新年早々メキシコ側の税関で用事を済ませた私と彼は、道路の向こう側のアメリカ方面行きの橋に渡って、足早に歩き始めた。 

メキシコののんびりとしたムードと違って、アメリカに戻るには、長〜い行列を並ばないといけないのだ。 

ご存知の通り、アメリカに入るのは、今日日簡単ではない。 
一人一人が厳重なチェックを受けて、そのチェックに合格したもののみが、合衆国に迎え入れられるのだ。 

メキシコのように、”ちょっと、車の保険の件で向こう側までいってくるから、ビザはこのまま持っててもい〜い?”なんて、簡単にオフィサーに話しかけることはもちろんのこと、お菓子と引き換えにちょっと交渉なんてことは、問答無用だ。 

ぼやぼやすると、夕方のラッシュに巻き込まれて、前回と同然、入れてもらうのに2時間待ちなどと、偉い目にあう恐れもあるわけなので、何しろ狭き門に怒濤のように押し寄せる難民がごとく、なかば駆け足でアメリカ側に渡っていたら、橋の真ん中あたりで、むこうから、飴を持った行商のメキシコ人男が寄ってきた。 

”旦那〜、キャンディ一つ買ってくれよ〜!” 
”ありがとう。でもいらない。” 

無視して通り過ぎようとする相棒。 

しかし飴売り行商男はそれでも引かない。 

”旦那〜、キャンディ買ってくれよ〜。” 
”No、いらない!” 

苛立とともにそこを通り抜けようとする相棒に、それを半ば通せんぼしようとする行商男。 

”旦那〜、俺のことを知らないのかっ!?俺は○○の息子なんだよ。” 
”いらないっ!!” 



その肝心の○○のところが聞き取れなかったが、結局、一言二言言葉を発した後、彼は諦めていってしまった。 

そして、やっと列にたどり着いてほっと一息ついた後(この時すでに50人くらいの行列)、改めて聞いてみた。 

”ね、あの男、さっき何ていったの?” 

”え?” 

”ほら〜、俺はなんとかのHijo(息子)っていってたじゃん。何の息子って言ったの?”

”神” 

”はっ!?” 

”神!” 

”はっ!?” 

”だから、神だってば〜。「俺はヘスース(ジーザス)の息子だ」って言ったんだよ。” 

”はぁ〜・・ジーザスの息子・・。でも、ジーザスの息子だったらそれがなんだって訳よ?!” 

”おれはジーザスの息子だから、小銭を寄越すべきだって言ってたんだよ。” 


”ぎゃははははっ!!!!” 





全く時として、メキシコ人のこの想像力、というか痣とさ(あざとさ)、たくましさには、驚くべきものがある。 

自分は神の息子であるからして、あなたは私から飴を買わなければならない。 

・・いったいどういう発想なんだ!? 

でもいいなぁ、このフレーズ。なんかやけに気に入った! 



”ちょっと私、神の娘だからさ。その服今すぐ脱いでよこしなさいよ。” 

”ちょっと、私に100ペソ寄越しなさいよ。え、いやだ・・?!あんた、私がジーザスの娘だって知らないわけ?!” 

”わたくし、神の申し子なんですから、家賃なんて支払いませんよ。” 




いいなぁ、いいなぁ、いいなぁ〜、あはははは! 

それに引き換え、アメリカ側のなんと元気のないこと・・ 

ハイウェイに入る信号に立っているホームレスは、たいてい士気のない顔をして、つまらなそうに立っている。 

そして、彼にお金をあげる人もメキシコのそれに比べて、極端に少ない。 

可哀想に思って、小銭を差し出しても、にこりともしなければありがとうの声も小さい。 

なんだか人も、風景もとっても無機質なのだ。 

これがメキシコであったら、普通にホームレスなんかしていない。 
ただ道ばたに座ってお金を乞う人は、たいてい体の悪い人かハンディキャップで、健常者は、働いて何がしらのチップを貰おうとするのである。 

それが、信号待ち1分間の口から炎を出す芸だったり、サーカスさながらの空中一回転であったり、さっと寄ってきて、フロントガラスを吹いてチップを稼ぐサービスでだったり、宗教者に扮した献金を求める人だったりと色々だ。 

バスに乗っていたって、ギターを乗り込んだ男がいきなり乗り込んできて、ライブを始めるので、おちおちのんびり景色も見ていられない。 

けれど、小銭を貰う為に、とてもエネルギッシュに働く彼らの姿は何がしかのものがあり、それで、見ているこちらも、ま、少しぐらいあげてもいっか、ということになるのである。 

何をするにしてもそうだけど、人間、愛嬌が大切だよな〜。 
それからユーモアのセンスってのもとっても大切だわね〜。 

新年早々学んだ、神の子事件の模様でした。

2011年1月17日月曜日

希望

          La Igresia y una Indegenas (Mexico City)




アリゾナの乱射事件のことが、日本ではどれだけ報道されているかは不明ですが、私が滞在中、アメリカではマスコミが毎日繰り返し、この事件について触れていました。

正直、この手の事件の詳細を聞くのは、滅入るものです。

一アジア人の感覚としては、”なぜ、この国は銃の保持を認めているのか”というところから始まり、”今までに似たような事件はいくつもあったのに、なぜ、未だに銃の保持を禁止しないのか?”という疑問へと発展していきます。

それから、マスコミの報道の仕方についても然り。

これは日本でも同じですが、同じようなことを、何度も何度もテレビで大げさに流すのを見ていると、本当にうんざりしてきます。

そんなにオウム返しに同じことを繰り返す暇があったら、緊急国会でも招集して、どうしたらこのような惨事が減るか、専門家も交えて、徹底的に議論すればいいのに、と思うのは私だけでしょうか?


事件はあくまでも事件であり、陳腐なドラマでもなければ、エンタテイメントでもないはずなのに、マスコミは、非常に偏った報道の仕方で人々に誤った感覚を植え付けているようにしか思えず、従って私はこの手のニュースは極力避けるようにしています。

この事件も、いずれは時と共に過去の産物となることでしょう。

そう思い、閉じていたマインドに飛び込んできたのが、”オバマさんの演説がいいから、聞いてみて”という知人からのメッセージ。

そこで早速聞いてみました。


正直、未だに英語は苦手なのです。

わからない箇所がたくさんあります。

それでも、聞いていて、胸がじーんと熱くなるのは、ひとえに彼のカリスマ性と、ヒューマニティあふれる彼の口から出た、本当の言葉であったからではないでしょうか?

英語に長けてる方も、そうでない方も是非に聞いてみて下さい。

私は政治のことはさっぱりわかりません。

けれど惨事のまっただ中に、こういう道しるべを示してくれる人が一人でもいたならば、人は、困難の中にあってさえ、ひとすじの光を、夢を、希望を見る事ができるのかもしれません。

相変わらずの英雄思考のお国柄には苦笑させらましたが、それでも、演説の最中、面と向かって一個人を名指しで賞賛し、拍手をする政治家なんて、世界中を見渡しても、そうそういないんじゃないでしょうか?

人を褒めることって、実はとっても大切なことなんじゃないかなって、自分の過去の経験も合わせ、ふと感じたり。

後半31分過ぎが特に良かったので、時間のない方は、そこからでも。




[要約]


9歳という幼さでこの世を去った犠牲者の一人、クリスティーナ。
彼女は、民主主義というものを、市民としての義務ということを理解しはじめ、自分もこの国の一員として、その役割を担うことを自覚しはじめていました。

一目会いたいと思った議員は、良い人で、立派な人で、そしてお手本にしたいと考えていた人だったのです。

彼女は決して大人達のように、冷ややかに笑ったり、皮肉に惑わされることなく、真摯かつ純粋な目で、そのことを見ていました。

私は、彼女の期待に答えたいのです。
この国の民主主義を、彼女が望んでいたような、素晴らしいものとしたいのです。
私たち、アメリカ人全てが、出来る限りの努力をして、この国を、子供達が想像したような素晴らしいところにしたいのです。

クリスティーナは、2001年9月11日に生まれました。
その日に生まれた50人のうちの1人として「希望の顔」という本に載った彼女の写真には、このようなコメントが寄せられています。

「みんなが困っている人を助けたらいいと思います。」

「みんなが国歌の一語一語を理解して、心を一つに歌う事ができたらいいと思います。」

「水たまりに飛び込むことができたらいいなと思います。」



天国に水たまりがあれば、クリスティーナは、そこに飛び込んでいるでしょう。
この地上で、私達は、手を心に重ね、アメリカ人として、この国を、いつまでも彼女の優しく、幸せだった心にふさわしい国としていこうではありませんか。

神の恵みにより、犠牲者が、永遠の安らかな眠りにつきますように。
神が生存者に、慈愛を注がれますように。
この国に恵みを与え賜りますように。


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2011年1月5日水曜日

ヤン車





題名を見て、ピンときたあなた。

おめでとう、あなたは仲間入りしました。


はい、他でもない、うちの新しい車の話です。



だいたいメキシコに来てからというもの、何が私の障害になったかっていうと、
それは一言、「移動手段」。



九州の下町で育ち、東京やらシンガポールやら、都会暮らしの長かった私にとって、移動手段はというと、もっぱら電車かバス。


実のことをいうと、私、去年まで免許を持っていませんでした。


かれこれ20数年前、カナダにワーホリで行っていたとき、途中まで免許を取り掛けたものの、何かの都合で保留となり、「まぁ、またチャンスはあるさ。」くらいに、のんびり構えていてはみたものの、普通に大学卒業して、社会人になったら、教習所にいく時間など、もちろんあろうはずもなく、また、東京で生活していれば、車が必要なこともなく、だいたい、皆こぞって免許取りに行くけど、別に全員が全員、運転できなくったっていいんじゃないの?くらいに思って過ごすこと、○十○年。



サーフィンしていた時は、周りの人に、「免許持ってないの?それで、どうやって移動するわけ?!」って、真剣に驚かれたけど、べ~つに~。



シンガポール時代は、バスにも普通にボードを持って乗ってたし、タクシーにも、一瞬、拒絶され掛けることもあったけど、そうされる前に、ぱぱっと、要領よく入れちゃうんで、彼らも文句言わずに運んでくれた。



バリは、バイクにラックがあるから、クタビーチはおろか、ビンギンでも、サヌールでも、ちゃっちゃか行けるし、困ったことなんて、一度もなかった。



その後、地元の九州に戻って、海までの公共機関がないと発見した時には、一瞬引いたけど、それだって、根性でちゃりんこ2時間こいで、ポイントまで出かけていたら、見ている人はちゃんと見ていて、「次に行くときは、連絡したら拾ってあげるから。」と、絶対、一回りは年下であろう地元少年に、優しくしてもらったりもした。


車なんて要らないじゃん!公共交通機関、ならびに自転車万歳!
・・そう思い続けていた夢は、ここ、メキシコにきて砕け散ってしまった。


車がないと、どこにも行けないのである・・・


もちろん、バス、コレクティボ(乗り合いバス)の類いはあることはある。


しかし、この公共交通機関ってのが曲者で、ちょっと買い物に行くのに、バスを乗り換えなければいけなかったり、また、のろのろと進む、冷房もない車中に缶詰になっていると、チャリンコで行った方が早いんじゃないの?とさえ、思えてくる。


食料品を買いに行った時は、20ペソ(120円)払ってタクシーで帰る。


まぁ、20ペソなら、そんなに高い金額ではないけれど、でも、朝、電気代を払いに行って、昼一で髪を切った後、スーパーに行き、戻って早い夕食を住ませて、ヨガに行こうとすると、タクシーを使えば、一気に支出が150ペソ(900円)にもなってしまい、そんな悠長なことをしていたら、一気に破産してしまう。


だったら、チャリンコかバイクで行けば?と思う方も中にはいるかもしれない。


が、それは問屋がおろさない。ここは、灼熱の国、メキシコ。


寒季は良いとしても、暑い時期にバイクなんて乗ろうものなら、もう、5分で真っ黒に焼けてしまうでしょう。


ってか、その前に、今流行の熱中症であっという間に、具合を悪くしてしまうこと間違いなし。
(以前、日本から来たミュージシャンのアテンドをした時、冷房の効いたバスに乗せたにも拘らず、陽の指す側にご案内してしまった為、15分も立たないうちに、具合を悪くさせてしまった経験あり。)


そういうこともあって、私の行動パターンは非常に限られる事となり、それまで、何かチャンスを見つけてはふらふらして回る生活から、一気に引きこもりになってしまった。


そして、相棒が仕事や配達に出掛けるタイミングを見計らっては、やれ、買い物に銀行にと出掛けるのだが、それでもさすがに学校や、趣味のヨガまでは回らない。


こうして、ストレスは徐々に加算され、限界を超える毎に、私は荒れ狂っていた訳である・・


そんなこんなで、去年の7月だったか、ニコニコ顔で帰ってきた彼が、「届いたよ!」と嬉しそうに私に言う。


そして一瞬の沈黙の後、「君に車を買ったんだ。」と宣(のたま)う相棒。


嫌〜な予感がして、「どんな車?」とさり気なく聞くと、「ルイスだよ。」とまた、訳の分からないことを言う。


曰く、前の持ち主が、その車のことを、”ルイス”と呼んで愛用していたらしい。


でも、メキシコに住んでるのに、アメリカで買うって一体どういうこと?

またいつもの、安物買いの銭失いじゃないの?と、それとなく様子を伺うも、どう良く解釈しても、相当型落ちの車らしい。


だいたい・・そんな大きな買い物するのに、なぜに、私の意見を全く取り入れぬ?


こういう彼の突拍子のなさが、真面目で四角四面(?)な私には、一向に解せないが、彼曰く、アメリカで買って、君が、メキシコに「輸入」する形にするのが、経費がグンと安くて済む・・のだそうである。


最初は、9月の帰国時に、復路のアメリカで落ち合って、その車をピックアップする予定だった。


が、話によると、「ルイス」はちょっとした整備が必要だということで、最初に話を聞いた7月から、9月のピックアップはクリスマスの12月に伸び、たまにカンクン市内を運転していて、相棒が、「あ、あれあれ!あれが、ルイス!!」と叫ぶ先を見ると、そこには、オンボロ車がヨレヨレと道路を走っていて、手に入れる前から、気持ちが沈むのである。


別に動けば、車なんて、何だって同じだよ!とそれまでは豪語していたけど、どうしてここ、メキシコやアメリカの古い車というのは、本当にボロボロなんだろう・・


そして、どうして物の溢れたアメリカで、よりに寄って、あんなボロボロの車を買う事にしたのか、相棒の心中も計り兼ねるし、「ルイスは、燃費が本当に良くてね。」とか、「パーツ自体は、とても性能がいいから、○○を交換したら、あと△△マイルは軽く乗れる!」などと嬉しそうに話すのを聞くと、なんとも知れぬ、恨めしい気持ちにさえなるのである。


果たして、私より1週間早くテキサス入りした彼は、実家のお父さんと共に、毎日、ああでもないこうでもないと、1日の大半を、その車に費やしている。


用事があって電話しても、ろくに電話口にさえ出ない有様なので、段々イライラしてきて、「パーツを変えたら、すぐ乗れるんじゃなかったの??」と攻めの口調に入ると、「だから、そのパーツを、今変えているんじゃないか!」とこちらが怒られる始末。


だいたい、なんで、そんな大幅な整備が必要なボロ車(失礼!)を買うのか、私には一向に解せないが、男ってのは、やれ、車だのバイクだのが好きだから、私も相棒ママと同様、余計な口出しはせずに、勝手に楽しませて置こう、と年末ぎりぎりに現地入りした私。


そして、ゲートに入るなり、私を待っていたもの・・それは、紛れもなくルイス・・っと、違う。


車体にはなんと、「○ヨタ、カローラ」の文字が入っているではないか!



えっ?!カ、カローラって、うちの親が70年代に乗っていたやつじゃなくって!?!?!?!


そうです。このカローラ、かなり年期の入ったボディー(当然です)で、あちこち錆びてるわ、フロントガラスにヒビは入っているわ、窓ガラスは手動だわ、シートには穴が開いてるわ・・


おまけに、運転する度に、この車、『バルルルルンッ!」とものすごい爆音がするのです。座席を伝わってくる振動も相当ひどい!!


彼によれば、「これこそが、本当の車のエンジン音だ!」ということで、彼のみならず、つい最近まで、ロケットエンジニアだった、80近いお父さんまでもが、真っ黒になった手を合わせながら、「よかったね、Kyoko。君のルイスは最高だ!」なんて、ぜんっぜん嬉しくないんですけど!!!!!(涙)


私、正直、そんなに物欲ある方じゃないです。


相棒母に買い物に誘ってもらっても、そんなに買いたいものがある訳でもなく、だいたい人ごみが苦手なので、お店も、3つも行ったらヘトヘトだから、すぐに帰っちゃう。


化粧もしないし、いつもトレパンにTシャツきてるから、何にお金を使うってことでもなく、まぁ、強いて言えば、プチ旅行の交通費と宿代くらい???


なのになのにな~の~に~!!!


なんで、私、この年にして、あんなバルルン・ヤン車に乗らなくちゃいけないの!?


別に、勝ち組の友人の乗ってるベンツとか、BMとか、サーブとか、そういう高級車に乗りたいって行ってる訳じゃないんです!


でも、でもでも・・


せめて、シートに穴が開いてないやつ、車体の4隅が錆びたり、穴が開いてないやつ、って望むのはいけないことなのでしょうか!?


相棒とその父が盛り上がる毎に、私のテンションはそれに反比例して、ドヨ〜ンと落ちて行き・・ってか、相棒ママも相棒パパも、自分たちは、思いっきり最新式の車に乗りながら、なんで私だけが、ボロ車な訳!?



なぁにが、コングラチュレーションじゃぁ~っ!!!



・・という訳で、爆発したいのをぐっとこらえ(なんせ3対1ですから、今は。)、物事の明るいサイドを見ようとすれども、助手席に座り、目の前のフロントガラスのヒビを見ただけで、泣きたい気持ちになってしまいます。



あぁ、神様、私は今朝の瞑想中、あなたにこうお話しました。


「神よ、私は恐怖心を捨て、あなたに全てを委ねます。」と。


こちとら、九州女。


今更その言葉を撤回は致しません。

・・が、それならいっそのこと、委ねがてら、私をどこか遠いところに、運んでは頂けまいか?!


自転車でどこでもいける北京とか、あっ、なんなら、私に羽を頂いても結構です!
どこでも、好きなところに、勝手に飛んで行きますから。


とにもかくにも、新年早々、相変わらず騒がしい身の周辺。


愚痴るのはここだけにしといて、こうなったら思い切って、ヤンキーステッカーとか、なめ猫グッズとか探してみようかな?


しかし試乗する前日に、近くのサーフショップで買った短パンが、紫のヒョウ柄だったのは、ただの偶然?それとも、神の思し召し?!




そんな訳で、次回皆さんにお会いできるのを、心から楽しみにしてます。(わずかにイメチェンしている可能性があります)

カンクンにお越しの際は、是非、我が「ルイス・ヤン車サービス」をご愛用下さいませ。


心よりお待ちしております。(夜露死苦)




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2011年1月1日土曜日

お友達紹介




私のブログの右側の、「マイブログリスト」というコーナーに、お友達のブログをリンクさせて頂きました。

どれも、クオリティレベルの高い、私の自慢の友人のものばかり。

私も今年は彼女達に負けず劣らず、良い作品(文章に写真に)を手がけてみたいものです。

皆さん、是非に見てみて下さいね!



●タヒチのOaOaな生活

http://oaoadolls.blogspot.com/

タヒチにお嫁に行った、私の大切な友人のブログ。
普段からあまり多くを語る彼女ではありませんが、生き方といい、その文章といい、非常にセンス溢れたものを持っている人です。
ブログの中にはたくさんのウィットや愛が込められていて、思わずクスリと微笑んでしまう事、核心をつかれて、どっきりということも多々。

彼女との出会いは・・・そのうち公開させて頂きますね!



●Raw Glamour

http://rawandbeautiful.blogspot.com/

是非是非一見のこのブログ。
皆さん、こんな綺麗な写真の載ったブログ、みたことありますか?!

売れっ子の写真家であり、ローフードのシェフでもあり、彼女から学ぶことはたくさん。
ちなみに、彼女は私のシンガポール時代、最も影響を受けたコロンビアンアーティストのお友達。こんな出会いもあるんですね〜。


●Stories from Mexico

http://blog.kikitheartist.com/

メキシコ在住のアーティスト、KiKiのブログ。
この人の絵、とっても独創的で色彩溢れていて、私はとっても好きなんです。

彼女との出会いは、私がメキシコはチアパスという山間の町に、農業実習に行ったとき。
立ち寄ったギャラリーで見かけた彼女の作品に釘付けになってしまったことがきっかけでした。もし、サンクリストバルを訪ねる人がいたら、是非訪れてみて下さい。

人の発想って、ここまで自由になれるんだ!ということが、彼女の作品の隅々に証明されています。



●Happy Life

http://shinobuyoga.blog47.fc2.com/

まだお会いしたことはないけれど、みて下さい。彼女のブログ。

数あるヨガ関係の中で、これだけ素敵なものって、探そうと思っても、なかなか探し出せません。

ヨガにスノボーに彼女の撮る写真に、短い中に散りばめられた素敵な言葉の数々・・。今後も目が離せません!

いつか、北海道にスノボーをしにいくことが、実は密かな夢の一つだったりする私です。:)



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Feliz Año Nuevo!

皆様、明けましておめでとうございます。

お正月、如何お過ごしでしょうか?

私は、毎年恒例のテキサスにて、年越しを過ごしました。

今朝は初日の出を見に行こうと、車で約30分南のビーチへ。

行った先はここ。

http://maps.google.com/maps?q=southpadreisland+texas+map&um=1&ie=UTF-8&hq=&hnear=Brownsville,+TX&gl=us&ei=XlYfTav8D8WBlAeV_83KCw&sa=X&oi=geocode_result&ct=title&resnum=1&ved=0CBoQ8gEwAA


ご存知の通り、私が今居る場所は、アメリカでも最南端の、橋を渡ればすぐそこはメキシコ。

のはずですが、風はビュービュー吹くわ、気温は低いわで、寒いのなんの!

しかし、早起きの甲斐あって、帰りの車の中から、美しい鳥の群れ、それからコヨーテファミリーの姿が見えました。

いやぁ〜、さすが土地が広いだけあって、メキシコにはない動物も見られて、大興奮。


今年も皆様に取って、素晴らしい一年となりますように!




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