2011年1月17日月曜日

希望

          La Igresia y una Indegenas (Mexico City)




アリゾナの乱射事件のことが、日本ではどれだけ報道されているかは不明ですが、私が滞在中、アメリカではマスコミが毎日繰り返し、この事件について触れていました。

正直、この手の事件の詳細を聞くのは、滅入るものです。

一アジア人の感覚としては、”なぜ、この国は銃の保持を認めているのか”というところから始まり、”今までに似たような事件はいくつもあったのに、なぜ、未だに銃の保持を禁止しないのか?”という疑問へと発展していきます。

それから、マスコミの報道の仕方についても然り。

これは日本でも同じですが、同じようなことを、何度も何度もテレビで大げさに流すのを見ていると、本当にうんざりしてきます。

そんなにオウム返しに同じことを繰り返す暇があったら、緊急国会でも招集して、どうしたらこのような惨事が減るか、専門家も交えて、徹底的に議論すればいいのに、と思うのは私だけでしょうか?


事件はあくまでも事件であり、陳腐なドラマでもなければ、エンタテイメントでもないはずなのに、マスコミは、非常に偏った報道の仕方で人々に誤った感覚を植え付けているようにしか思えず、従って私はこの手のニュースは極力避けるようにしています。

この事件も、いずれは時と共に過去の産物となることでしょう。

そう思い、閉じていたマインドに飛び込んできたのが、”オバマさんの演説がいいから、聞いてみて”という知人からのメッセージ。

そこで早速聞いてみました。


正直、未だに英語は苦手なのです。

わからない箇所がたくさんあります。

それでも、聞いていて、胸がじーんと熱くなるのは、ひとえに彼のカリスマ性と、ヒューマニティあふれる彼の口から出た、本当の言葉であったからではないでしょうか?

英語に長けてる方も、そうでない方も是非に聞いてみて下さい。

私は政治のことはさっぱりわかりません。

けれど惨事のまっただ中に、こういう道しるべを示してくれる人が一人でもいたならば、人は、困難の中にあってさえ、ひとすじの光を、夢を、希望を見る事ができるのかもしれません。

相変わらずの英雄思考のお国柄には苦笑させらましたが、それでも、演説の最中、面と向かって一個人を名指しで賞賛し、拍手をする政治家なんて、世界中を見渡しても、そうそういないんじゃないでしょうか?

人を褒めることって、実はとっても大切なことなんじゃないかなって、自分の過去の経験も合わせ、ふと感じたり。

後半31分過ぎが特に良かったので、時間のない方は、そこからでも。




[要約]


9歳という幼さでこの世を去った犠牲者の一人、クリスティーナ。
彼女は、民主主義というものを、市民としての義務ということを理解しはじめ、自分もこの国の一員として、その役割を担うことを自覚しはじめていました。

一目会いたいと思った議員は、良い人で、立派な人で、そしてお手本にしたいと考えていた人だったのです。

彼女は決して大人達のように、冷ややかに笑ったり、皮肉に惑わされることなく、真摯かつ純粋な目で、そのことを見ていました。

私は、彼女の期待に答えたいのです。
この国の民主主義を、彼女が望んでいたような、素晴らしいものとしたいのです。
私たち、アメリカ人全てが、出来る限りの努力をして、この国を、子供達が想像したような素晴らしいところにしたいのです。

クリスティーナは、2001年9月11日に生まれました。
その日に生まれた50人のうちの1人として「希望の顔」という本に載った彼女の写真には、このようなコメントが寄せられています。

「みんなが困っている人を助けたらいいと思います。」

「みんなが国歌の一語一語を理解して、心を一つに歌う事ができたらいいと思います。」

「水たまりに飛び込むことができたらいいなと思います。」



天国に水たまりがあれば、クリスティーナは、そこに飛び込んでいるでしょう。
この地上で、私達は、手を心に重ね、アメリカ人として、この国を、いつまでも彼女の優しく、幸せだった心にふさわしい国としていこうではありませんか。

神の恵みにより、犠牲者が、永遠の安らかな眠りにつきますように。
神が生存者に、慈愛を注がれますように。
この国に恵みを与え賜りますように。


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5 件のコメント:

  1. Kyokoさん、おはようございます!

    年末はメールにてのご連絡、ありがとうございました!
    お返事が遅れてしまってすみませんでした。

    先日は、ルリ子さんにもお会いできました。
    とっても素敵な方ですね。

    このブログ記事には、私も共感です。
    マスコミやたくさんの人々は、ネガティブな言葉を繰り返して不安をあおるばかりで、解決策を与えてくれません。

    ここはひとつ、自分から解決策を見つけて、実践していかないといけませんね。
    小さな物事から、幸せが広がることは、たくさんありますからね。

    私の住んでいる国、インドネシアの大統領も、何か事件があると、コメントを発表しますが、やはり選ばれる人々というのは、言葉に力があり、そうあるべきなのでしょうね。

    バリ島とメキシコ、まるで地球の正反対の場所のようですが、Kyokoさんとめぐり合わせてくださった神様に感謝いたします♪

    あと、自分のブログのお勧めサイトにリンクをさせて頂きたいのですが、どうぞよろしくお願いいたします。

    これからも末永くよろしくお願いいたします。
    お体に気をつけて、お過ごしくださいね。

    バリ島 シドゥメン村
    松原亜希子

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  2. オバマさんの存在はアメリカだけでなく全世界にとっての希望。彼が大統領である事は奇跡にちかい真実。一日でも長く活躍してほしいです。

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  3. 亜希子さん:

    コメントありがとうございます!お返事は、メールでさせて頂きますね。
    まずはお礼まで。

    mama taponeさん:

    彼は、自分の天職をしって、それに心から貢献している人。
    だから発する言葉も私達の胸に深く響くのだと思います。

    お手本にしたいですよね。

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  4. おととい、またアメリカの学校で、護身用の銃が発砲して、数人の怪我人(小学生)が出たと言ってましたね。

     力には力をもって制するーのではないというオバマさんのようなリーダーを支持していきたいと思います。

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  5. 准子さん:

    そうだったんですか・・知りませんでした。
    暴力で何かをねじ伏せる、という時代はもう終わりのような気がします。
    一刻も早く皆がそのことに気付いて、素手で、素の声で話し合いができる世の中になりますように。

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