2011年9月27日火曜日

マクドナルドとI love you


面白い光景を見た。

アメリカ人の父親が、娘に向かってこういう。

”Give me a kiss. Daddy got to go now! "(さぁ、こっちにきてキスしてくれ。パパはもう行かなくちゃ。)

娘は遊びに興じていて、なかなか彼の言う事を聞かない。

そして、パパは何度も同じ台詞を繰り返し、遂に彼女は遊びの手を止めて、彼のところに行き、キスをする。

" I love you, sweety" (愛してるよ、スイーティ) パパは満足げにそう言い残し、出て行った。




***



シンプルな例だけど、これほど彼ら、アメリカ人を表してる例はない。

彼らにとっては、これがごく普通のコミュニケーション法。

毎日誰かにキスをして、毎日誰かにI love youを言う文化。

私達の、”行ってきます。”とか”いただきます。”と言うのに近いのかもしれない。

恐らくそれは、愛情表現っていうより習慣なのだ。

言わないと(そして聞かないと)落ち着かないマントラなのだ。



日本人主婦が用意した食事を、ご主人が(あるいは子供達が)”頂きます”を言わずに、食べだしたらショックを受けるであろうように、朝起きて一番 に、自分のパートナーがキスもせず、出掛ける前に、I love youも言いあわなかったら、それは大きな問題へと繋がるに間違いない。



然るにアメリカ人と、それとは全く異なる文化を持つ日本人が一緒になると、 往々にして、ちぐはぐなことになりかねない。



"Honey, Give me a kiss. I got to go!" (おっと、そろそろ、行かなくっちゃ。)

"Oh, ok! Have a nice day" (あ、そう?いってらっしゃい。)


" Sweety, how come you never say i love you!?"(ねぇ君、どうして僕にキスもしなければ、愛してるって言ってくれないの?)

"Huh? Why i need to speak out that kind of things ? It's in here (Pointing the heart) and I always express that through the life, don't I?"

(え〜っ?!そんな大切なこと、軽々しく言える訳ないじゃない!愛は口じゃない、ここに(と胸を差す。)あるものです。私は、私自身のやり方で毎日それを示しているのに、あなたはそれじゃ足りないっていうの?!”

”xxxxxxxx!!!!!"



ー以下は長くなるので省略ー






彼らに取っての、Kissと I love youは、日々の生活の中に、必ず降り混まれていなければならないもので、それは日本人の私に取っては、往々にして表面的、あるいは嘘くさく感じられる。

けれど、私個人がどう思おうと、彼らに取って、KissとI love youは、生活必需品なのだ。

それは、マックのポテトやコカコーラと同じ。


どうしてコーラなしに、ハンバーガーとポテトを食せよう?

ポテト抜きで、ハンバーガーとコーラだけ食べた日には、物足りなさが残るのは請け合いだ。


だから、彼らは今日も言うだろう。



”Honey, I love you!"

"Oh, sweety, I love you, too. Have a great day! (Kiss♡)"



年々、自分の日本人っぽさが目覚めつつある今日この頃にあって、この文化の壁は、まだまだ消えそうにない。




付録:最近の私のモットー


1.男/女は黙って

2.男/女に二言なし

3.武士は食わねど高楊枝。



どこかで高倉健みたいな人見かけたら、教えて下さい。


by 昭和の申し子
.

3 件のコメント:

  1. いやぁ~、なるほどね。
    私にとって、実はこうした家族間でのやり取りよりも
    職場での会話の方が、居心地が悪いと感じる今日この頃。
    何しろ家族間だったら、
    言いたくない時は言わなくても済むし。(私の周りではね)
    職場では、何かある度に
    (仕事の上で当然やるべき事をやただけ)、
    you are the bum!とかyou are the best!
    (君ってサイコー)とかって
    いちいち言ってくれちゃったりするのが
    申し訳ないけど、メンドクサイのー。
    (you are a bumだと正反対)
    色んな人種や文化が入り混じった国だけに、
    こういうささいな言葉(気遣い?)が
    コミュニケーションに大切なのかも知れないけどね。
    だからね、職場の円滑なコミュニケーションや
    人間関係のために私も使わざると得ないのよね~。
    面倒だけど、それで周りの人がハッピーになれるんならいいじゃない?と思ってさ。

    返信削除
  2. 昔、アメリカの企業で働いてた時代・・なんか、日々、肩が凝る、というが疲れる、というか、まぁ要は合ってなかったんですけれど。

    で、その訳はというと、皆、やけにいい人なんですよね。
    ソツがないというか、コミュニケーションがうまいというか。
    褒め合いや皆でインスパイアし合おう!みたいなのもたくさんあったし。

    でも、私はその陰で守護霊のように隠れてましたね。なんか、表立った褒め合いとかって、苦手だったし。ってかお互いやっぱり超日本人?!

    返信削除
  3. うっはー、言われてしまった!
    はい、私は超日本人です。
    そうね、こっちの職場って、
    皆んな、やけに超いい人なのよね~!
    一種の褒め殺しだよね。
    「あんた、本気でそー思ってる?」って疑るくらい。
    まぁ、日本で最後に働いた疑心暗鬼な職場よりいいけどさ。

    返信削除