2011年9月30日金曜日

最悪の一日

                                               Tienda de Pineda Covalin


・・・なんて書きましたが、一日のうち、”最悪〜!”なことの1つや2つが必ず織り込まれているのが、ここ、途上国での生活。



まぁ、機嫌のいい時や、余裕のある時は、もちろん涼しい顔して、さらりと交わすようにしていますが、それが時として、3つになり4つになり、5つになる頃には、だいたい、堪忍袋の尾が切れ、いきなり噴射ってのが、私の現実的生活パターンだったりします。

さて、今日も朝から色々とありました。

まずは日本語の個人クラスにて。


”はい、これは何ですか〜?”

”◯◯です。”

”え?◯◯ですか?”

”えーっと、あ、◯△です。”


”そうです!◯△です!”


この生徒、飲み込みは早いのだが、なぜか何度やっても、ひらがなとカタカナを覚えきれずに、同じところでつまずくのだ。

同じ事を何度も何度も教えるのは、忍耐がいる。

けれど、所詮は人間なわけだし、得意もあれば、不得意もあるのは当たり前のことなので、日頃は軽くスルー。

しかし、今日は違いました。

彼女の間違いを訂正したところ、こう”言い訳”したのです。

”先生の字がわかりにくいから、間違えました。”

こういう時、狡いことが超嫌いな私はプツッときてしまいます。

そして、こうつぶやきます。


”あんたねぇ〜、人のこと非難する前に、ツとシとンの違い、早く覚えんかいっ!!?”

あ、もちろん胸の中でです。

生徒は大事なお客様。

ここは軽く流して、授業は終了。

そして、お金を徴収する段階になって、彼女はこう言いました。

”あ、今持ち合わせがないからまた次回。”


これは実は、メキシコでは珍しいことではありません。

例えば1000ペソの月謝を払うのに、今日は300ペソ、来週は60ペソ、再来週は120ペソ、と勝手に分割して「その時手元に在るお金」を払うのは、結構ざらにあります。(最初それを知った時は、私も驚いたけど。)


しかし、この日はちょっとむっとしました。

なぜならば、トナーを新調して1000ペソ(6000円くらい?)という、私にとっては巨額が消えたので、考えた結果、これからは、毎月コピー代を徴収することにして、その旨、事前に連絡していたからです。


ま、とはいえども、別に払ってくれない訳ではなし、またある時に払ってくれるでしょう、ということで、用事1終了。


さて、その次には、ビザの案件で、とある担当官に連絡をする。


このビザ、更新の手続きをして早や2ヶ月。

当初は25日で出来ると言われていたけど、まぁ、メキシコだから。


しかし、何回かの打診のあと、やっとおりたからというので、速攻で支払いに行き、じゃぁ、早く受け取りにと思っていると、いや、ちょっと待ってくれ、あといくらいくら必要だ。とまた新たな追加費用の要求。



え〜、何?そんな話し、聞いてなかったんだけど、と思えど、もちろんむこうは。以前に私に話したと豪語する。絶対に怪しい。しかも、そんなにお金 が欲しいなら、小出しに言わないで、一括して言えばいいものを、あとで取って付けたように言われてもねぇ。おまけに、またまた、支払いに行かなきゃ行けな いじゃないのっ!

ところが・・悪い事は重なるものです。


その支払い関連で出掛けた先で、一旦駐車した車を、係員が、あとからのこのこと見に来たかと思うと、”そこには止めないで。”というのだ。むっとしながらも、別の場所に止め直して、車から出ると、”そこもだめ”という。

なんだか一気にムカついてきて、”じゃぁ、どこに止めれば言い訳よ?”と聞けば、”あそこ。”と指差したのは、どうみても、絶対無理な極狭スペース。

じゃ、あなた誘導してよ、と嫌な予感がしつつも車を切っている間に、見事に擦ってしまいました。

しか〜も、私の車、ご存知の通り、相当オンボロで、しょっちゅう壊れているんです。

なんと、ちょっとしたその擦りで、いきなりうんともすんとも言わなくなっちゃったじゃないの!ぎゃ〜っ!!!

さて、ここまで来れば、私の怒りはすでに炸裂しています。

あまりにも激りすぎて、車の中に鍵を掛けたままロックしてしてしまうわ、その係員は、自分の仕事ぶりは棚に上げ、”そこじゃ困るから動かして”な んて、まだ言ってるし、そうこうするうちに、もう一人の係員もどこからか現れて、100ペソくれれば、中の鍵を取ってあげる、などと、人の不幸に便乗して 言ってくる始末。

だいたい、あんたの誘導が悪くて3回も車止め直して、おまけに擦って、その上、100ペソ寄越せだと〜?!ふざけんな〜っ!!!

ところが、SOSを送った相棒の反応は超冷たかった。

”今日はトラブルばかりだな。”と彼は不機嫌に言い、私が、状況を説明しようと起こったことを話していると、”そんなことはどうでもいいから、そ この前で待ってて。”と勝手に切り、しかも現れたかと思ったら、いつものごとく、急に人格を変え、その悪徳駐車場係員に向かい、笑顔で話しかけたかと思う と、仲良くその鍵を開けようとしているのである。

ここまで来れば、私の怒りは怒濤天をつく。

敵の袖を引っ張って、”ちょっと〜、絶対この人に100ペソあげないでよ。”と念押しするも、私の不機嫌に反応した彼は、”君、この場に及んで、 何言ってるんだ。皆、君を助けようとしてくれてるんじゃないか!”と、逆切れし出す始末。おまけに、悪徳2人組がむこうの陰でほくそ笑むのにも気付かず、 それどころか自分だけが、”感じがよくて気前のいいアメリカ人”を装うとするのである。

その上、”うるさいから、あっちにいってて。”と彼らの前で言われた私は、まるで悪者状態。なんか話しはあべこべで、ってか、こんなボロな車買ったの、どこの誰よ〜っ?!って話しで、もうあとは怒りと悲しみが交互に襲ってくるのを噛み締めるばかりである。


が、私は諦めなかった!

そう、私は昨今瞑想をしているのです。

昨今、ものごとをありのままに見る訓練を、日々肉体を通じて、練習しているのです。

一瞬ぐっときかかったものの、”ま、こっちもこっちでいらいらしているのね。”
と流すことにした。

しかし、それにしてもムカつくのは、その係員。

ドアが開かなかったので、100ペソは諦めたものの、駐車場代として、20ペソを要求してきたので、何もしてくれない相棒の間に割り込んで行って、”ここ擦ったの、あなたの先導が悪かったんだから、100ドル。”

とこちらもこちらで性悪な発言。

要は、20ペソばかりの小額といえども、狡賢い彼らに払いたくなくて、チャラにしてもらおうとしたのだ。

が、それを見た相棒は、愛想笑いを浮かべたまま、2人にお礼を言い、すっかり悪者化した私を車に押し込んだ。

こうなるとあとは泥沼試合である。

レッカーされる車の中で、私は改めて状況を説明しようとした。

”あのね〜、もう一度説明するけど・・”

”もう、その話しは聞きたくない!”

”でも、あの2人は、自分の仕事もまともにしなかった上に、お金まで請求したのよ!それなのに、なんで悪くもない私が、お金まで払わないといけないのっ?”

”いや、払ったのは僕だ。”

”だから!なんで、彼らの肩を持つのよ、私の肩を持たないでさ!!”

”そんなの、彼らに言ったって無駄だろう。第一、僕は超忙しいところ、君を助けに行った。それで充分だろう?”

”でも、だからといって、なんで私が悪者にならなきゃいけないわけよ?なんでせめて仲介してくれなかったの?”

”いや、あんな連中を相手にムキになる君が悪い。”

彼によれば、教育のない人々に教育的意見を発するのも、我々の仕事らしい。

けど、私に言わせりゃ、それって、超アメリカ人っぽいおせっかいな発想じゃない?と思うんだけど。

悪いけど、私は彼らの教育係ではないし、人を助ける前に、まずは自分や、その家族を守りません、普通??

そういうわけで、あとは、お互いの主張の押し付け合いである。

おまけに、先日のつぶやきでもつぶやかせて頂いた通り、一度言い出したら絶対に引かないのが、アメリカ人と日本女子(男子)の性質。

散々言い合って喧嘩別れしたあと、すっかりいじけ切った私は、気分転換をしようと、生徒に朝借りた、大手B語学学校の教科書を手に取って開き、次の瞬間、固まってしまった。
そこには、信じられないような時代設定の文章が並んでいたからである。

「あら、岡本の奥さん!しばらくですね。」

「まぁ、しばらく。中山さんの奥さん。お元気ですか?」

「ええ、御陰さまで。」

「毎日物価が上がって、大変ですねぇ。」

「そうですねぇ。お酒やビールまで。うちの主人はよく飲むんですよ。」

「うちのもです。大変ですねぇ。」

(中略)

今時、◯◯さんの奥さんとか、うちのも、とか言うかぁ〜?

これで、信じられないくらいに高い授業料を取って、行く人もたくさんいるのだから、世の中、全くどうかしてる!
なんだか・・世の中って、なんでこんなにデタラメなことばかりなの!?

・・と、ここまでこれば、あとはお決まりの「世捨て人になって山に籠りたい病」発生。

ま、しばらくしたら、嫌がおうでもまた引っ張りだされるんですけれど。

しか〜し、それにしても、途上国での生活は、良く言えばドラマチックで悪く言えば、信じられないことだらけ。

あぁ〜、せめて、自分の信じている常識を共感してくれる人が欲しい・・・

という訳で、この場を借り、ぶちまけさせて頂きました。

自分で選んどいて何か言える立場じゃないんだけれど、たまにこうやって、月に向かって遠吠えしたくなるのよね、という途上国の暮らしレポートでした。




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