2012年3月27日火曜日

退化?進化?

ベロ出しチョンマ




チチェンイッツァという遺跡をご存知だろうか?

マヤ文明が栄えた頃のピラミッド遺跡、と一言で言えるのだろうが、何しろ、私の住む町からは、この遺跡に行くツアーが、いわゆる観光の目玉の一つとして売り出されている。



私は、歴史的なことには殆ど興味がない口で、最初にこの遺跡を訪れたときも、大した感慨は受けなかったし、それよりも、そこに来ている色んな国のツーリストや、それを我が物顔で案内する、現地ガイドの身振り手振りを観察する方が興味深かったりするのだが、世界遺産の名を取るだけあって、まぁその人の多いこと!

遺跡を見に来たんだか、人を見に来たんだか分からない感がある。


ご興味のある方はまずこちらをどうぞ。

http://allabout.co.jp/gm/gc/43615/



さて、そんな有名な遺跡なのだが、ここで、特筆すべきことが一つある。

それは、解説にもあった通り、この遺跡を作ったマヤ人が、太古の昔であったにも拘らず、太陽や月の関係を熟知した上で、この遺跡を作ったという点。

そして、それを証明するべく、毎年、春分の日と秋分の日の前後、このピラミッドの一角に設置された大蛇の背中の角度の部分に日が当たり、普段は見られない蛇の姿が、突如として浮かび上がるのだ。


・・・という話は私も前から聞いていて、ふーむ、とわかったような、わからないような感覚でいたのだが、昨今はホテルで働いている関係で、たくさんのガイドさんと話をする機会があり、その中で、たまたま当日、その場に行き合わせたというガイドさんに、写真を見せて貰って、目を見開いた。


すごい!確かに生(といっても写真だけど)でみると凄いのである!


http://www.youtube.com/watch?v=KQ-qk5cTqI4



で、鳥肌が立ったり、ひとしきり唸った後に、”こんな大昔に、こんな大きなものを、しかも計算通りに、一体、どんな天才が設計したんでしょうね?”と呟く私に、”いや、一人の力ではないでしょう。設計したものを、再現するには相当多くの人が関わったはずで、しかもそれを寸部の違いなく再現した訳だから、相当多くの天才的な人がそこにいたということでしょう。”と彼女。

そして、マヤ人って改めて凄いですね、と二人して締めくくったのである。





さて、同日の仕事が終わった後、私は相棒のスタジオに立ち寄った。
と、通りを挟んで向かい側の漁師の家の前に、何やら人が大勢集まって、宴会らしきものが開かれている。

大人は大人で宴もたけなわな様子で盛り上がり、子供は子供達で、スタジオ前の猫を追っかけては、代わる代わる抱き上げたり撫でたりしている。

と、ふと昼間の話が脳裏を横切る。

そうだよ、この人達、皆、マヤ人じゃないの!

この地方では、ちょっと田舎に行けば、マヤ人の集落があり、彼らはパラパと呼ばれる藁葺き屋根風の家に住み、生計を立てている。

その多くは、お世辞にも裕福とは言い難く、パラパの土間に、ハンモックを吊るしてそこで寝起きする。

そして、その土間の上には直接冷蔵庫やテレビが置かれ、冷房などあろうはずもない家のドアは、いつも開け放たれ、そこには網戸があるわけでもなく、雨風が吹けば、たいそう不便に違いないのだが、それもきっと免疫があるのだろう。私のように、蚊が入るとか、雨が降り込むとか神経質そうにしてる訳でもない。


スタジオの近所に住むマヤ人を見る限りでは、男衆で仕事に溢れたものは、昼間っからお酒を飲んだり、家の前で何をするでもなく座っていたりと、あまり健康的には見えないが、たまに相棒が力仕事など回したりすると、それはそれで、張り切って働きもする。

恐らく、定期的な仕事に付くのが難しいのだろう。
その点、どこの国でもそうだが、女性は働き者だったりするから、そのお金で生計を立てているのかも知れない。


と、マヤ人の宴会模様を横目で眺めながら、昼間話した天才的マヤ人と、目の前にいる現代マヤ人のギャップに苦しむのである。


そしてこう思う。果たしてこの人たちは、本当に、あのピラミッドを作った人々の末裔なのだろうか?もし、それが本当だとしたら、彼らは退化してしまったということなのか、はたまた、昔のように野生の勘を活かして活躍する場を消失し、才能が鈍って、凡人化してしまったとでも言うのだろうか?





”マヤ人に限らず・・”と相棒。


”人間は、昔に比べて、確実に衰えているのだと思うよ。生命力も、頭脳の明晰さも。”

”それって、致命的だね。”

”そうだね。そして増え過ぎてしまった人口は、いずれ、何らかの形で消滅してしまうだろうな。”

”うーむ。私たちは生き延びるのかな?”

”さぁね。それは神のみぞ知ることだけど、そういう訳で、僕は一刻も早く、ボートが欲しいのさ。”




出会った時から、ボートが欲しいと言い続けている彼だが、それはレジャー用ではなく、危機が起こった際の、脱出用ツールらしい。


ちなみに、その船上には鶏を飼い、トマトを初めとした野菜を育て、心を和ませる為に猫も連れて行くのだとか。

私がその中にカウントされているかどうかは不明だが、ま、いざという時の為に、せいぜい狭い船上で喧嘩にならないよう、今のうち、社交術でも身につけておきましょうか。



いずれにしても、今後の人類の行く末が気になる、今日この頃である。





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