Gentes veendo. Chiapas |
さて翌日は、待ちに待ったオアハカに移動することにした。
サンクリストバルは、前に何度か訪れたことのある場所で、グアテマラ行きがなくなった今、私に残されている選択は、ひたすら北上するのみ。
同日の夜行便があることがわかり、早速チケットを購入した上で、時間を潰すために、町をプラプラと歩いていたら、かつて知ったる通りに、日本のカフェを発見。
いつの間に、こんなところに新しいカフェが?
早速中に入ってみると、アールデコ風のシックなランプに、障子をモチーフにしたインテリアで店内は、なんとも言えず落ち着いた感じになっている。
日本風に綺麗にデコレートされたデザートもあり、オーナーさんらしき人に、”素敵ですね”と声を掛けたら、”そう言って下さるのは、日本人だけ で、ローカルや欧米人にはなかなか伝わりにくいんです。”と。曰く、ディテールにこだわるのは日本人だけで、ローカルに至っては、味よりも量。何しろたく さんがっつり食べればそれで良し、だそうな。がくっ。
まぁ、わからなくもないけれど。何しろこちらの人はよく食べる。
一人では、とても食べきれないような量の料理を、私と相棒が半分ずつ分けて食べている横に、後からきた女性が、私たちよりも早く、一人でその皿をペロリと平らげる、なんてことはままあることだ。そして、料理の横には決まってコカコーラが並んでいる。
何しろ、味の濃いメキシコ料理と、コカコーラはとても相性が良いのだ。
コーラがなかった時代は、皆、何を飲んでいたんだろう?というくらいに、深く生活に浸透しているこの飲み物。そりゃ、皆が太るのも無理はないなと思う。
と、話しが脱線してしまったが、短いサンクリストバル滞在を経て、お次は、待ちに待ったオアハカへ。
このオアハカという町。手工芸品で有名な観光地ではあるが、私の住む町からは非常に行きにくくて、今まで行けず終いでいた。
例えば首都のメキシコシティに行こうとすれば、飛行機でひとっ飛びできる。
価格も安ければ片道100ドルくらいで所要時間が約2時間弱。
ところが、オアハカに行こうとする場合、まず、サンクリストバルまで夜行バスで17時間ほど掛けて行き、(実際は24時間丸々掛かる事も度々)一晩からだを休めて、また別の夜行バスにて10数時間掛けて行かなければならない。
おまけに、サンクリストバルに行くにも、オアハカに行くにも、道がくねくねと曲がっていたり、ところどころ揺れたりするので、お世辞にも快適な旅とは言いがたい。
そういう訳で、相当の覚悟を決めて、オアハカ行きのバスに乗るも、まだ前日の疲れが残っていたのか、それともサンクリの町で、寒さに任せて衝動買いした冬物のブーツとジャケットが功を成したのか、バスが動き出してから間もなく、私は深い眠りに着いた。
その夜、妙な夢を見た。
プライベートで教えている日本語の生徒が出て来て、”あぁ、彼女元気かなぁ。”と思っていると、そこは、彼女の働いているホテルで、ユニフォームを着た彼女とその同僚、ならびに上司の男性が一所に集まって、笑顔でゲストに挨拶をしている。
そうだよな、ホテルというところは、こうやって顔を作らなければならない大変な職場なんだよなと思っていると、ふと気付けば、なぜか私までもが、そこに座っているではないか。状況がよく飲み込めないまま、取りあえず、場を乱さない為に、私も必死で作り笑いを浮かべる。
ところがその後、私は奥の部屋で何かを検索しなければならなくなった。が、どうやって情報を取り出すかなど、新人の私にわかるはずもない。
スタッフに尋ねようとするのだが、彼らは楽しそうに離れた場所で雑談しているだけで、こちらの焦りなど、一向にかまってはくれない。焦りはやがて究極に達し、私は胸の中でこう叫んだ。
”なぜ、私ばかりがこんなに忙しいの?!誰か助けて〜っ!!!!”
と、次の瞬間目が覚めた。
冬物のジャケットが重すぎたのか、暑すぎたのか、妙な夢を見てしまった・・
カーテンを開けると、バスがオアハカのバス停にちょうど入るところであった。
あぁ、朝から疲れた。
今日はどこかホテルのベッドでゆっくり寝よう・・・
(続く) .
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