家を出るまでバタバタのし通しだったので、その晩は食事も取らずに熟睡し、クリスマスの翌朝、再び東京行きの飛行機に乗る為に、早々にホテルをチェックアウトし、リムジン乗り場に向かったところ、すでにそこには何人かがいて、同じようにバスを待っている。
クリスマス日のリムジンは混んでいるらしく、すでに短くはない間、バスを待ち続けていることが人々の表情から伺える。
と、その中に、一際目立つ女性がいて、というのも、彼女の身につけているものが、センス溢れるもので固められていて、一体、どこでどういう暮らしをしているのだろう、と想像せずにはいられない趣だった。
しばらくその人の身に着けていたものをまじまじと眺め、一言話し掛けようかどうしようかと思っていたところで、ちょうどリムジンが入ってきて、彼女は私の方を振り返って、‘やっと来たわ!‘と言ったのだが、それは回送用らしく、私たちを乗せずに通り過ぎてしまった。
こういう状況になった時、アメリカ人は実に気軽に言葉を交わす。
‘あーぁ、行っちゃった。‘と、私が呟くと、`本当にねぇ‘と首を振る彼女。
‘そこから打ち解けて、私たちは何となく話を始める。
‘今年、母が亡くなったから、親父の顔を見に帰るところなんだ。‘と言う私に、‘あぁ、わかるわ。私も数年前に親を亡くしたから。‘と彼女。
パートナーがカンボジアに住んでいるので、これから東京経由で行き、一ヶ月を現地で過ごすと言う。
アンコールワットは、私が行った旅先の中で、今でも3本の指に入る美しさなので、‘いいなぁ、羨ましいなぁ‘と言うと、‘そうね、私も楽しみだわ。‘と彼女。
ちなみにパートナーはカメラマンで、今までも色んなところを旅して回っているらしい。
そこで、いつもそのような人に会った時にする通り、‘今まで行った中で、一番どこが好きだった?‘と質問すると、即座に、‘ヴェニス‘と回答が返ってきた。
‘言葉ではとても言い表せない素晴らしさよ‘、とため息交じりに話す彼女。
これで行きたいところがまた一つ増えた。
最初に彼女を見かけた時、そのセンスの良いいでたちに、一体この人は、どこで何をしている人なんだろう?と、興味を持たずにはいられなかった。
そしてその後、タイミングよく彼女が話を始めてくれたので、私は彼女と会話をするチャンスが持て、結局服のことは聞けなかったけれど、彼女と楽しいひと時を過ごすことが出来たのだ。
ただそれだけの話なのだけど。
得てして、人生の中でこういうことって多いような気がする。
チャンスはすぐ隣り合わせにあるのに、タイミングを逃したり、勇気を出せなくて黙っているうちに、去っていってしまう。
それから、チャンネル具合もあると思う。
私たちは一旦会話は始めたけれど、それは、「飛行機の座席が真ん中なので、早く行って、端っこの席に換えたい」という彼女の焦りにより、途中で途切れてしまった。(尤も、最後にはMerry Xmasと言い合って別れたが。)
もし、彼女の思考がその場にあって、もっとリラックスしていたならば、私たちは、もっと会話を続けたであろうし、もっと深い話、有益な情報交換が出来たかもしれない。
いずれにしても、自分のチャンネル(思考)を、常に正しく合わせておくことは、大切だし、特に来年は、このことが鍵になるように思えるは私だけでしょうか?
皆様にとって来年も素晴らしき一年になりますように。
今年も、皆様のサポート、ありがとうございました!
Kyoko
日本に帰国していたのね?!ものすごい温度差の変化だね、風邪ひかないように気をつけて。そして良いお年を!今回のチャンネルの話、とても心に残りました。
返信削除mama taponeさん:
返信削除歩いてたら、息子ちゃんに良さそうなのがあったから送るね。別口で住所教えて下さいな~!